声をかけながら

かしの木 こえだ こばと ちいろば みのり オリーブ

 立春を過ぎ、寒さが続く中にも少しずつ春に向けて備えていく自然の営みがあることを思います。
 先日保育室での友だちとの関わりの中で、子どもの心の成長をあらためて感じる場面がありました。
 2歳の男の子が、2人で線路を長くつなげて電車を走らせて遊んでいました。お互いに進行方向が違うため次第に電車がぶつかってケンカになってしまいます。側で見守っていた保育者はすぐにそれぞれがトラブルにならないように線路を分けて遊ぶことを提案しようとしましたが、ひと呼吸おいて「離れる?それとも次にぶつかったら離れる?」と2人に聞いてみました。すると1人の子どもが、少し考えたあとで「ぶつかったらはなれる。」と応え、その後からぶつかりそうになると、相手の友だちに「ぶつかっちゃうよ」と声をかけながら自分たちでトラブルを回避しながら遊ぶようになりました。
 子どもたちは「楽しい」「やりたい」という能動的な行動の中で、自らの経験をもとにどうすればその行動が達成できるか「考える」力をもっています。その力が育っていくために、大人が子どもの行動について指示的な言葉かけにならないよう留意し、子どもの成長に合わせて選択できるような言葉かけをすることがとても大切です。そして子どもの行動に対しての大人の感情(「嬉しい」「悲しい」)を伝えてあげるなどして、子どもが考える心の空間を意識的に作ってあげたいですね。
 今月末には懇談会を予定しています。お子さまの成長を振り返りながら喜びや悩みを
語り合い、新年度に向けて準備していただけると嬉しいです。

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